June 11, 2009
・弁証法的進行
コンフリクト(対立)がドラマを生む。
主人公(正)と対立するもの(反)のコンフリクトが、ある結果(合)を生み、それが次のストーリーを生む。長期シリーズはこの繰り返しとなるが、限度を超えると少年ジャンプ的展開に。
・ストーリーとドラマの違い
ストーリー:論理。原因と結果
ドラマ:感情。葛藤により生じるもの
(ゲームのように)イベントを羅列してもドラマにはならない!
「方向性を示すのが監督の役目。スタッフの進む先はおおむね北北西、ずれていいのはプラスマイナス何度まで、という具合に。その方向へ、人生をかけたフェチをやり通せ」
「作風も、哲学も作品ごとに変えていっていいし、変えるべきだと思う。ただ、製作委員会などの要求に対して「これが本当に作品のためになるか?」ということは常に問わなければならない。」
「「コードギアス」は、なるべく多くの意見を取り込むために各スタッフを複数にしている。絶対失敗できない作品。」
「今のティーンエイジャーを取材した結果、昔も今も変わらないという結論に至った。」
「「リヴァイアス」は、監督をやらせてもらえる最初で最後のチャンスかもしれない、とやりたいことをやった。」
「目線の芝居を印象的にやりたかったので、各オペレーターのブースをパーテーションで区切った。こうすると、いちいち立ち上がって向き直らないと目線を交差させることができない。そして、責任者は全員の目線が集中する場所に位置する。だからプレッシャーがきつい。」
「作品作りの9割9分は理屈。最後にA案とB案があり、どちらも論理的に正しいというときに決断するのが監督の仕事。」
-声優に新人を起用することが多いのは。
「作中での主人公の成長と合わせる意図もあるが、子供向け作品では、主人公は『新しい友達』と認識される。そうすると、以前聴いたことのある声よりも耳新しい声の方がよい」
-キャラクター作りの秘訣は。
「『意外な部分』を作ること。ただし、『ありえない』と思わせてしまっては駄目なので、バランスが肝心」
「主人公のヘタレ具合の許容度は、時代によって変わる。『セーラームーン』をやっているころ、主人公にギャグをやらせたらベテランのプロデューサーに『主人公にあんなことやらせたら駄目だよ!』と注意された。ところが、つい先日『しゅごキャラ!』で主人公が変態呼ばわりされているのを見て、ぎょっとした。あの時のプロデューサーは、こういう気分だったんだろうな、と」
「『セーラームーン』は作品自体が戦隊もののフォーマットに則っているが、変身シーンのバンクは、実はロボットアニメの文法に沿ったもの。頭部、胸、腕、脚、と順番にガシーンと変型合体していくのと一緒」
-原作ものを手がけるときの注意は。
「必ず、原作者と直接会って打ち合わせをすること。マンガとアニメは根本的に違うメディアで、決して同じにはならない。アレンジが必要になるが、そのハンドリングはいくらでもできる。しかしその作品の『芯の部分』、原作者がどこに対して愛情を注いでいるかを決して見誤ってはならない。それを押さえておけば、『この作品では何が絶対にNG』かも解る。何と言っても、作品に一番愛情を持っているのは原作者。自分はいわばお子さんをお預かりしている立場。一番は無理だが、二番目くらいに愛情を注いでいる立場でありたい」
「監督として、この作品をこんなに愛しているんだ!という姿勢を見せないと、誰もついてこない」
-昨今の萌えキャラについて。
「記号化が悪いとは言わない。反応が予測できるというのは、観客がキャラを理解した気分になれるのでキャラを立たせるのに有効な手法ではある。しかし人間はそれだけではない。現実へのフィードバックがなく、記号だけで完結しすぎるのは窮屈」